脊髄小脳変性症とは

脊髄小脳変性症とは

脊髄小脳変性症とは、運動失調を主症状とした神経変性疾患の総称で、ここにはいろいろ異なる多くの疾患が含まれています。その原因、症状、治療法とは?

脊髄小脳変性症とは

脊髄小脳変性症(せきずいしょうのうへんせいしょう)とは、いわゆる運動失調を主な症状とする神経疾患の総称です。小脳・脳幹から脊髄にかけて神経細胞が次第に破壊、消失していくというかなり重大な病気です。

 

 

1976年10月以降、特定疾患として認定され、介護保険での特定疾病にもなっています。特定疾病というのは、日本の各保険において対象で、他の疾病とは異なる扱いをすると定められた疾病のことです。

 

何を特定疾病とするかについては保険領域によって異なってきます。介護保険制度(2000年に導入)で、第2号被保険者が一定の疾患によって介護を必要とする状態になった時に、介護保険の給付を受けられます。その対象となる疾患が特定疾病と呼ばれ、2006年度から16の疾病・疾病群が特定疾病とされています。脊髄小脳変性症もその中のひとつとなっています。それほどに重大な病気なのです。

 

運動失調というのは、例えばお酒の飲み過ぎで酔っ払い、ふらふら歩いてしまうような状態のことで、つまり小脳系の神経細胞の変性がその原因となっています。

 

そして、神経疾患の総称ということで、一つの病気を指しているわけではありません。同じ種類の病気ですが、遺伝性のあるもの、遺伝性のないもの、遺伝性で常染色体優性遺伝を示すもの、常染色体劣性遺伝を示すものなどいろいろあります。

 

更には、パーキンソン病と似た症状や、自律神経障害、不随意運動などの症状を伴うこともあります。遺伝性脊髄小脳変性症には、優性遺伝と劣性遺伝があり、原因遺伝子によって分類されます。日本では優性遺伝が圧倒的に多くなっているそうです。